ガンは癌にあらず --春ウコン免疫賦活剤が制する成人病--

序章

                序  章

(1)これまでの春ウコン法の経過
 癌の治療法としては, 手術による外科療法, 放射線照射による放射線療法, 制癌剤による化学療法および温熱療法やLAK療法a)などが広く知られている. いずれの治療方法でも早期発見,早期治療が鉄則であり, 自覚症状を伴うような進行癌では, 回復させることは至難と考えられている.  

 制癌効果のある物質の発見はよく報道されるが, インビトロ(試験管内)の話であり, 癌の特効薬開発に進んだ話は少ない. 筆者A(松井)は, 30年程前に一企業で制癌剤開発に関与し, 開発中の制癌剤の導出入をさまざまな側面から検討したなかで, 制癌剤で着目すべきは植物, と考えるに至った. しかし, その後も癌で年間何十万人もの方が亡くなるのは, 依然として癌治療の革新的方法が開発されていないからだと, 当時, 感じていた.

 ところが, 1989年, 筆者Aが末期の直腸癌を疑わざるを得ない自覚症状となった. 症状は急に進み, 2ヶ月後の激痛と大量下血は末期癌と思われたので, 手術も難しい事態と考えた. 制癌剤を調べた経験からは頼るべき制癌剤もなさそうで, 絶望的な気持で治療方法を調べていた. この時に, 知人が春ウコンの情報をもって相談に来た. 「春ウコンが癌に効くらしいと聞いたが, 制癌剤の開発経験者から見てどのように思うか」, というのである. この知人の母親は, 末期肝臓癌のため大学病院に入院中であった. この情報に多少の可能性を感じて, すぐに2人で春ウコンの摂取を始めた.

 春ウコンの用法用量を, 商品説明で言われている許容限度の2倍量と設定して, 早速試した. その結果, 癌と思われた筆者Aの疾患を速やかに抑えることができた. これと同時に, 知人の母親も, 余命半年の末期肝臓癌, と診断された大学病院で[完治]と診断される状況に到り, 退院が許可されていた. 臓器が異なる2種類の疾患が, ほとんど同じテンポで終息するという不思議なことが起こった. しかも, その一方は確かな診断がなされた末期肝臓癌であった.

 これが出発点となり, 筆者Aは親しい友人や知人のなかで, 医師が治療困難と診断したターミナルケア期の末期癌患者となった人たちに, 春ウコンの摂取を勧め始めた. その結果, いろいろの癌が同じように治まったことから, 春ウコンの摂取が癌の緊急事態回避法たり得るとの確信を持つに至った.

 その後, 筆者Aは移籍した大学で, 前立腺癌を経験して癌について調べていた筆者I(粕渕)と出会い, 癌談義が始まった. それからほどなくして, 筆者Iの知人が重度の糖尿病となり, 加えて末期大腸癌が見つかったので, 筆者Iが春ウコンを勧めたところ, この2つの重病を同時並行的に抑えるという貴重な結果を共有した. また, 同時期に見つかった筆者I自身の腎臓癌との診断結果も, 春ウコンの摂取期間25日で消失させることができた.

 筆者らが一緒に経験した身近な2つの例に触発され, 過去十数年の例を備忘録的にまとめながら, 春ウコンについて2人で論議・検討することを始めた. その間に, 抑えた癌の種類が拡がり, 再現性の確認も増えていった. その集計結果は, 末期癌を中心に29例中24例有効, 2例除外,1例経過待,1例不明,無効1となった.

 一般的には, 20%の患者に効果があれば有効な制癌剤といわれる. 春ウコンの効果は, 用法用量次第では多種類の末期癌に卓効を示し, 一般の制癌剤より遥かに高い確率で癌を抑えることができると推測できた. また, 再現性にも期待がもてる結果であると考えられた. さらに, 副次的にわかってきていた癌以外の各種疾患への春ウコンの効果は予想外のことであり, これらと癌の関係, なぜこのようなことが起こるのか, についても2人で考え始めた.

(2)適応症の広さ, 副作用の無さ, 簡便な服用方法
 春ウコン摂取により, 癌(直腸癌, 肺癌, 肝臓癌, 胃癌, 食道癌, 腎臓癌, 大腸癌, 膵臓癌, 子宮体癌, 前立腺癌, 膀胱癌, 卵巣癌, 乳癌(術後予防), または, 消化管膜間質性腫瘍)以外にも, 治癒が難しいと言われている多種多様な疾患(糖尿病, うつ病, 歯槽膿漏, 歯周病, 蓄膿症, 慢性的喀痰症, 類天疱瘡, 風邪, ヘルペス, インフルエンザ, C型肝炎, MRSA(メリシチン耐性黄色ブドウ球菌)感染症, シェーグレン症候群, 帯状疱疹, 網膜症(糖尿病性の場合を含む), 関節炎, ヘパーデン結節, 花粉症, 喘息, 血小板減少, 骨粗鬆症, または高血圧症など)への治癒効果が副次的にわかってきた. なお, 脳下垂体腫瘍はすぐに効果が現れず, 経過観察とした.

 末期癌・糖尿病・耐性菌などを簡単に抑える薬はなかなか見つからないと言われている. ところが, 春ウコンは, 癌や糖尿病などの病原体が確認できていない疾患や細菌とウイルスなど, 免疫系が非自己(異物)と認識している疾患原因を同時並行的に数ヶ月で抑えることができる. また, 春ウコンに副作用やリバウンドを現在まで経験したことがない. このため大変使いやすく, 極めて特異的な免疫賦活剤であることも確認できた.

 さらに, 春ウコンは経口摂取をするので簡便であり, しかも手術や放射線治療などに散見される後遺症が出ることもなく, 臓器の機能が失われることもない. 多くの疾患を同時並行で抑え, 前述のように副作用も殆どないので, 身体への負担の少ない優れた方法である. また, 経済性にも優れている.

(3)試論について
 癌や糖尿病などの多種多様な疾患が, 春ウコンの摂取によって容易に抑えることが可能となると, 現在の癌などに関する有力な説, [癌や糖尿病は遺伝子の変異が原因で起きる疾患であり, これが長期間かけて蓄積して発症に至る],[免疫は癌を見逃す(sneaking through説)], などに対して, これらとは異なる新しい考え方(理論)が必要となる.

 そこで本書では, 多くの事例で起きている多種多様な現象についての情報を整理し, これらの情報から得られる考え方をまとめ, [試論]として提案することにした. 「なぜ, これだけの疾患を抑えることができるか」という筆者ら自身の疑問に応える目的で考えた試論であるが, 専門的立場からのご意見を頂きたいと考えている. 以下の①~⑮がその要約である.

  • ①多くの癌や成人病は, 免疫系が非自己と認識している感染症である.
  • ②春ウコンは, 稀有な免疫賦活剤である. 健常人以上に免疫賦活をするので, 免疫力が下がったために発症した癌や成人病を始めとして, 細菌やウイルスなどの広範囲の多数の感染症を同時並行的に抑える. この点ではウコン(秋ウコン)の活性を大きく凌ぐ.
  • ③多くの癌,成人病の病原体を, 植物の病原体として発見されているウイロイドに近い, 核酸系物質(DNA,RNA)の[ウイロイド・ライク](参照:4.2)と推定した. この病原体は生命現象の根幹に極めて近いと推測できるので, 疾患を抑える方法としては, 免疫系の精緻な識別能力に頼る方法が最善である.
  • ④多くの人に等しく効くのは, 春ウコンが免疫機構の基本的な部分に作用しているからである. 逆から見れば, 免疫機構の個人差はほとんどないと言える. 極めて確率の高い効果は, 免疫賦活が確実に行われているためである. また, 免疫賦活なので耐性が起こらない.
  • ⑤各種の癌と免疫系との関係がほとんど同じなので, 各種の癌は春ウコンによる免疫賦活で治まる, と言える. 各種の癌に, 本質的な種類や差異はない. 癌が発生した臓器,細胞組織の違いによって, 癌が多種類あるように見えるだけである.
  • ⑥病原体は血液などの体液を介して, 主として垂直感染,水平感染により感染する. 感染後は親和性のある臓器を宿主として継体し, 免疫力の低下(主として加齢による)と共に発症する.
      
  • ⑦癌をはじめとする成人病の
     ㋑感染→㋺発病→㋩治癒
    を, それぞれ,
     ㋑DNAによる形質転換
     ㋺免疫力低下によって形質転換DNAが活動し始めてクロマチン構造を変化させる
     ㋩免疫力上昇によって形質転換DNAを抑えてクロマチン構造を修復する,
    というプロセスを考えた.

画像の説明

  • ⑧形質転換により感染しているウイロイド・ライクは, 免疫力の低下とともに活動が可能となり, クロマチン構造を変化させて,癌化,ホルモン分泌阻害,酵素合成阻害,蛋白質合成促進,を促し,発病に至る.
  • ⑨春ウコンの摂取により癌や成人病を抑えても,その病原体を短時間で身体から完全に取り除くことはできない.春ウコンの摂取中断で疾患は再発するが, 摂取を再開することで再び治癒と診断される状態にできる(参照:詳細は, 4.5.7の2)の図22).
  • ⑩治癒状態となっても, ウイロイド・ライクが潜伏する細胞が発症前より飛躍的に増える. そのため, 極端な免疫力の低下によって, 疾患は急速に悪化する. 病後は, アジュバント化学療法,手術,極度のストレス,過労,体温低下などによる免疫低下を避けて, 免疫賦活に努める必要がある.
  • ⑪長期的に春ウコンの摂取を継続すると, 体内に残存する病原体は減衰していくようであるが, 潜伏病原体を完全に取り除くことはできない.
  • ⑫加齢現象とは, 免疫力低下によりウイロイド・ライクやウイルスが細胞内で活動を開始する現象である.
  • ⑬成人病と加齢現象は, 免疫賦活がその防止策となる. 生活習慣病といわれる疾患は, 加齢に従い免疫力が低下するために起こる面が大きい疾患なので, 成人病または免疫病の呼称が妥当である.
  • ⑭春ウコンが有効な対象疾患は, 前述した(2)より, 適応症の領域が更に拡大することが, 容易に予見できる.
  • ⑮極めて重要なので繰り返すが, 春ウコンの効果は[用法用量]次第で決まる. 用法用量の数学モデルも重要となる.

 試論は, 得られた事実を基に, [帰納法]を極力心がけて組み立て,推測できる範囲で[演繹法]を用いた. また,結論が言える段階ではないが, [多くの事例で起きている多種多様な現象を比較し整理してみると, 身体の仕組みは極めて論理的に精緻にできており, また, 一般的に非論理的な説明がなされている現象は, 非自己(異物)によって起こるか, 事実の見落としがある], と考えられる. また, 必要最小限のデータで試論を組み立てているので, あらすじだけの構成となっている. 拙速な点をご理解い願いたい. さらに充分なデータが集まった段階で, 試論を再構築することを考えている.

 また, 本書の中で, 癌と糖尿病を混同している, と感じる方もあるかと思う. 癌と糖尿病を比較すると, 病状変化と春ウコン摂取(病原体と免疫力)との関係が, きわめて近い傾向を示すと判断できた. また, 両疾患が同時並行で治まった例を見ても, 春ウコンのこれらの疾患に対する効果はほとんど同等であった. この事実から, 治癒を数量的に細かく追いにくい癌について, 数量的に詳細に追える糖尿病の経過から推論できると言える.

さらに, 癌や糖尿病などの例から, 春ウコンの効果は「プラシーボ効果」o)でないと言うことができる.

(4)今後の課題
 「癌の治療は免疫を上げればよい」とわかっていても, 「今まで臨床的に免疫を上げえた例がない」1)ことも事実なのであろう. また, 「健康食品の摂取だけで癌が縮小した, もしくは生存が延長したということをヒトで証明した臨床試験は, いずれの健康食品においても検索されませんでした」2)と言われている.

 しかし, 考える視点を変え, 調査対象をもう少し拡げてみると, これらの説を否定するような方法や発見がたくさん出てくると考えている. 当初, 春ウコンだけが特殊な作用をもつものと考えていた. しかし, 調べていくうちに, 日々草3), オリーブ4)およびノニ5)などに, 類似の効果が見られることがわかってきた. どれを採用したら良いかは, 確実性,副作用,疾患別効果,経済性などが, 優劣を決めるであろう. 筆者らは, 春ウコン以外を試したことはないが, 治癒の確実さ(効果),安全性,経済性などを総合的に他の植物の情報とくらべると, 現状では, 春ウコンが最も優れていると言ってもよい.

 一方, 現時点では, 癌治療の困難さ, 治療法の選択肢の特質, 時間との競争, 延命の見込み, 最新療法の限界, 後遺症のリスク, などを総合的に理解できる人に限って, 春ウコンが選択されることになる.

 春ウコン法による癌を含む広範な疾患の治療法は, [完成]と言うにはまだ程遠い状況にある. 制癌剤や慢性疾患薬による骨髄抑制や臓器損傷が発生すると, 春ウコンの効果を低下させることがあるが, 解析が不十分である. 現在は, 癌の末期となり治療法が無くなった人について試験的に第一歩を踏み出したに過ぎない. しかし, これまでの実績から考えると, 臓器損傷がない場合には, 春ウコンの適量摂取により, 末期癌患者が癌をおさえることができ, しかも, 数年以上の単位で延命可能である. また, 癌以外の多くの疾患の治療法としても, 広範な展開が可能なので, 全疾患の投薬を考慮して春ウコンの摂取を開始する必要がある. 今後は, 専門家の間で春ウコンによる治癒効果の評価が定まり次第, 癌,糖尿病などによる絶望的な患者の救済が始まるだろう.

 再現性を幅広く調べ, また, 数年以上の経過観察をしながら, 統計学的に解析してみる必要がある. 現在は, 末期癌を抑えた人たちが何年か延命している段階で, その結果がどのようになるかの結論が得られたわけではない. 効用と限界も当然あるはずである. 今後, 他に救済手段のない人への医療行為として春ウコンを使用するようになれば, 臨床データを含めた膨大な情報量と多種多様な臨床例が集まり, 数学モデルを含めた確かな治療法として, より充実した方法になる. また, 医療経済的側面でも世界貢献につながるはずである.

(5)本書の出版の経緯と今後への期待
 本来であれば, 専門誌に投稿して専門家の評価を得た後に出版すべきとも考えて投稿を試みた。しかし、現在の医学の常識から乖離しているためか、採択されない。また、これから数年かけて本格的な臨床データを蓄積し, 春ウコンに関する実証的な研究を行った後に出版すべきという意見もあろう. しかし, その間にも時々刻々と癌で亡くなって行く人がいる. そうした緊急性を考慮し, 実証データ数としては不十分であっても, 多種類の癌を極めて高い確率で抑えているので医師の手を離れた末期癌患者に極めて有用と判断した. そこで,この方法で実証した事実が、生命科学の原理原則と矛盾しないことを確認して,出版を決意した次第である.

 本書の執筆は, 筆者らが一緒に体験した身近な2例の癌の治癒が端緒となって, 2006年1月に開始された. 試論の骨格ができた段階で, 免疫学専門の臨床医でもある友人に意見を聞くと, 「久しぶりに聞く面白い理論」と, 多少, 評価してくれた. 2006年11月に入り, 病原体はウイロイドまたはこれに近いものとの考えに到り, 本書の全体像がほぼ定まった. 1990年頃, 「春ウコンが癌に有効なら, 春ウコンを成分分画せずにそのまま利用する方がよい」と, 天然物化学者の経験を踏まえて大きな助言をして下さった農学博士伏谷伸宏氏(東京大学名誉教授)に, この段階で十数年間の報告をして評価して頂いた.

 さらに, 症例を加えて現在に至っている. 言うまでもなく, 春ウコンは食品に区分されている. 筆者らは食品であることを十分に認識して友人や知人に勧め, また, 漢方薬では副作用のない安心な薬の[上品](参照:3.2)と取り扱われていることも同時に伝えている.

 また, [癌は直る]といった類の本を出版し, 逮捕者が数名出ていることも承知している. それらの情報については詳細に調べていないので, 特段の論評は差し控える. しかし, 筆者らはいわゆる民間療法と言われるものの中に, [確かな原料を, 的確に処理し, 妥当な摂取方法]を採用すれば, 卓効を発揮するものも出てくると考えている. 試論4.1.2と4.1.3を参考に探索すると, 今後, 多数の植物などから, 春ウコンのような生理活性を持つものを発見できると考えている. 紀元前からの薬草学(インド,ギリシャ,ドイツなど)や漢方薬などの見直しも重要である.

 [春ウコンの大変広い適用範囲], [癌・糖尿病などはすべて免疫系が非自己と認識している感染症]とした点について, 「あり得ないことだ」, 「まさか?」と疑う方も多いだろう. しかし, [これらの疾患が感染症だったので, 春ウコンが持つ強力な免疫賦活力で抑えることができた], と考えている. もちろん, 「100%効果があり, 副作用がない」と言い切るつもりはない. 当然のことではあるが手遅れはあるし, また, 投薬などの臓器損傷(骨髄抑制など)により春ウコンの効果が即効的に出てこないことも経験した. このような場合は, 投薬などを絶って臓器細胞の新陳代謝を待つと,新陳代謝が進むに応じて春ウコンの効果が出ることもわかってきた. しかし, 投薬をしない場合は, 春ウコンを摂り始めて約3ヶ月で癌が影も形もなくなる症例がほとんどだったので, 免疫賦活法が選択されて制癌剤を使わない場合には,臓器損傷は問題とされない障害になるとなるはずである. これらの事実の科学的説明に挑む本書の主旨をご理解いただければ幸いである.

 「もはや救う治療法なし」, 「手術の後遺症を是非避けたい」と考える方は, 3ヶ月間摂取することをお勧めする. 現行の医療制度では自己責任となるが, 他に手段がない場合には, 試す価値が大きい方法である. その結果, [ガンは癌(=最大の難点)にあらず]が, 実感できるはずである.

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